山頂と地上とでは気温差があるものです。
8月の富士山に登った時、私はふもとの0合目からスタートしたのですが、
スタート時は半そでで30℃あった気温も、5合目に着くころには20℃ほどになり
山頂でご来光を拝む早朝には、10℃を下回り、
真夏というのに薄手のダウンジャケットを羽織ることに。
富士山に限らず、標高が1000mを超える山の上では思ったよりも気温が低く、
寒く感じることがあります。
そこで!冷えて疲れ切った体を癒してくれるのはやっぱりあったかいごはん。
山ごはんの基本はクッカーと呼ばれる鍋やフライパンなどの調理セットですが、
今回はバーナーも使って煮たり、焼いたりとアツアツ料理に挑戦してみましょう。
(ちなみに富士山ではバーナーは使えません!)
初心者は知っておくべき!バーナーの基礎知識と選び方
登山の専門店に行くと、たくさんの種類のバーナーがあります。
「どれを選べばいいのかわからない!」
私も最初の頃はそうでしたが、今回は私が実践しているバーナーの選び方と愛用しているバーナーを紹介していきます。
バーナーをタイプ別に分けると
・軽量、コンパクト
・高出力
・大型、安定感
といった大体この3つに分けることが出来ます。
軽量、コンパクトタイプのものは主に湯を沸かすだけに使用することが多く、
ゴトクも3本なので、料理となると安定感が低めです。
料理をするなら高出力タイプか、大型、安定感タイプのものがオススメです。
初心者には大型タイプよりやや軽めで持ち運びしやすく、
ゴトクも4本あり安定性も兼ね備えた高出力タイプのものをおすすめします。
中でも
・EPI/スプリットストーブ
・SOTO/レギュレーターストーブFUSION Trek
・プリムス/2243バーナー
の3つが扱いやすく耐風性もあり、作れる料理の幅が広いです。
ちなみに私はイワタニプリムス/2243バーナーを使用しています。
十分な火力と安定性が高く、X字型の4本ゴトクは大きく広げることもできて、
大きな鍋でも安定するだけでなく、風防の役割も兼ねています。
炎が広めに拡散する形状なのでとても使いやすいです。
バーナーを使ってできる!アツアツ簡単レシピ
バーナーを使うとなると、山ごはんのレパートリーがぐんと広がります。
本格的な料理に聞こえるかもしれませんが、
時短で工程もシンプルな料理はたくさんあります!
それでは、山の上でできるおすすめのアツアツ簡単レシピ5選を紹介していきます。
まず一つ目は冬に大人気のあの料理です。
1、鍋
材料は
鍋用野菜セット:1袋
鶏もも肉:15g
冷凍水餃子:3個
鍋キューブ:2個
塩:適量
醤油:適量
水:80ml
です!
材料の日持ちについて、ここでポイントがあります!
鶏もも肉は事前に冷凍しておいて、
冷凍水餃子や、何か冷たいものと一緒に保冷バッグに入れて山で持ち歩いています!
私は一度春の始めの頃に保冷バッグを忘れたことがあって、
その時はせっかく持ってきていた肉を食べられない…なんてことがありました。
作り方は
①材料をすべてクッカー内に入れ、バーナーに火をつけて煮詰めて
②ぐつぐつと材料が煮詰まってきたら完成!
鍋用野菜セットを使用すると野菜をカットする手間が省けるので、
私は山でササっと鍋を作りたいときはいつも愛用しています。
具材をいれて煮込むだけなので、本当に簡単です!
追加コメント
この材料で一人分の簡単な鍋ができます。
私はいつも2人で登るので、上記の材料×2を持って行ってます。
山で寒い中食べる鍋は格別です!
また、白ご飯(私はおむすびにして持って行ってます。)と卵を一緒に持っていくと、
仕上げに雑炊も作れるので、是非おすすめです。
続いては、ご飯に最高に会う私の大好物のレシピです。
2、サバとキャベツのみそ炒め
材料は
キャベツ:1/3個
サバの味噌煮:1缶
ごま油:適量
塩:適量
コショウ:適量
です。
これも最高にご飯に合うおかずなので、白おむすびを2つ一緒に持って行ってます!
ちなみに私は濃い味が好きなので、味噌玉をスプーン1杯分追加して持って行ってます。
作り方は
①キャベツを大きめにカットしますが、
これはお家で事前に切って、頑丈な冷凍用ジップロックにいれて持っていくと、
山での料理の工程が減るので、私はいつもそうしています!
②続いてサバの味噌煮缶のサバだけを大きめに割ってフライパンに入れ、かるーく炒めます。
だいたい表面に焼き目がちょっとつくぐらいまで炒めます。
③サバ缶の中に残っているタレを全部いれます。
私はサバ缶の中に残っているタレを全部入れたところ、
キャベツ全体にしっかり味噌の味がしみ込んでおいしかったです。
薄味が好みの方は、タレの量を調節してください。
④塩コショウで味を調え、さっと炒めたら完成!
味噌だけでなく、ピリッとしたアクセントが欲しい方には
七味をいれてもいいかなと思いました。
追加コメント
これは疲れていてもご飯が自然と進んでしまう、大好物のレシピです!
やはりご飯をたくさん食べるときは、いつも体力がより回復するのを実感します。
是非作ってみてください!
これまでは白ご飯に合うレシピを紹介してきましたが、
いよいよご飯をアレンジしたレシピに挑戦してみましょう!
3、トウモロコシのスパイシーごはん
材料は
米:1/2合
水:100ml
コーン:50g
カレー粉:小さじ1杯
塩:少々
バター:10g(保冷パックに入れておく)
です。
私はいつもお米を持って山に上がるときには
600mlのボトルに分量の洗ったお米と、分量の水を入れて行きます。
登っている際に、お米に水が浸透して調理する頃にはちょうど良い具合になっていますよ。
作り方は
①30分以上浸水させた米に、バター以外の材料をすべてクッカーに入れて軽くかき混ぜてから中火にかけます。
②①を混ぜながら加熱し、沸騰直前で極弱火にして蓋をして11分加熱します。
時々中身をチェックすることを忘れなく!
私は一度極弱火にせず、早く炊こうとして鍋を焦がしてしまったことがありました…。
③火を止め、ふたを開けて全体を混ぜたら10分ほど蒸らします。
そして、食べる前にバターをのせて完成!
追加コメント
山の上でお米を炊くとなると、お家のようにうまくできないのではないかと思えるかもしれません。
ですが、あらかじめ浸水させたお米を持っていくと、お家で作るように柔らかく仕上げることができます。
このレシピは出来上がるまでに20分程時間を要しますが、
その間にちょっと休憩をしたり、他の食器をセットしたりしているとあっという間です。
続いては、ちょっと気分を変えてパスタのレシピを紹介します。
4、ナポリタン
材料は
ピーマン:1個
ベーコン:1枚(私はちょうどベーコンを切らしていたのでソーセージをいれました。)
塩:適量
コショウ:適量
スパゲッティ:160g
玉ねぎの縦薄切り:1/2個
トマトジュース:1缶(160g)
オリーブオイル:大さじ2杯
粉チーズ:お好みで(今回の写真ではかけるのを忘れてました。)
です。
玉ねぎは香りが強く、カットして持っていくと
バックパック内の他の荷物に匂いがうつることがあると聞いてから、
私はあえてカットせずに持っていくか、
カットしたら冷凍用ジップロックに2重に入れて持って行ったりしています!
作り方は
①ピーマンとベーコンは縦1cmに切ります。
ピーマンとベーコンは家で事前に切っておくと便利です。
②フライパンにオリーブオイルを熱し、①と玉ねぎを炒めます。
③②にトマトジュースを入れ、スパゲッティを半分に折って入れる。
パスタは別湯でせずトマトジュースで直接ゆでることでちょうどいい硬さになります。
煮汁が出ず、時短になるので
楽にできるこの調理法を、私は家でも実践しています。
④煮汁が少なくなったら塩コショウで味を調えて粉チーズをかけて完成!
追加コメント
「お米ばっかりでそろそろ飽きたなー」と思った時に、
山で簡単に作れるナポリタンを作っています!
パスタも腹持ちがよく、おすすめです!
最後に、少し下準備の手間はかかりますが、
すぐに体を温めてくれるあのレシピを紹介します。
5、いろいろ巾着おでん
材料は
油揚げ:4枚
おでんの素:1/2袋 (私のように濃い味が好みなら、1袋丸々入れても大丈夫です!)
水:100ml
パスタ:4本 (油揚げの口を縫うため)
油揚げ4枚を半分に切って袋状に口を広げ、4種類の味の材料を詰め、おでんを作っていきます。
(モッツァレラチーズとトマトのおでん)
モッツァレラチーズ(チェリータイプ):4個
ミニトマト:2個
(ツナカレーチーズ)
ツナ:1/2缶 (余った分はマヨネーズと一緒に食べてます。)
カレー粉:小さじ1杯
とろけるチーズ:適量
卵:2個
(シュウマイトマト)
冷凍シュウマイ:2個
ミニトマト:2個
(納豆キムチ)
納豆:1/2パック (余った分はお家で朝ごはんにしています。)
キムチ:20g
4種類紹介しましたが、「材料をすべてそろえるのが大変!」という方は1種類だけでも大丈夫です。
ちなみに私は全部の種類の材料をそろえて、
余った分は他の日のレシピで消費していってます。
作り方は、
①油揚げの1辺を半分に切り、袋の口をそっと広げます。
②巾着にそれぞれの具材を半量ずつ詰めパスタで留めます。
(ツナ、カレー粉、チーズはよく混ぜます。ミニトマトは半分に切ります)
このときにパスタが折れないように優しく、短く持つことをおすすめします。
実際私は作っているときたくさん折りまくりました。
(①②までは前日に下ごしらえをして冷凍しておくのがオススメ)
③クッカーにおでんの素と水を入れて中火にかけて、
煮立ったら②の巾着を並べて弱火で10分ほど煮て完成!
一見工程がたくさんあるように見えるけど、
事前に家で、油揚げに具材をあらかじめ入れておくという下準備をすることで
山では巾着を煮るだけ、の簡単レシピになっています。
具材が巾着に入っていて、食べやすいことも食欲をそそるポイントです!
追加コメント
お家での下準備には10分程時間がかかりましたが、
このおでんとおむすびを冬の八ヶ岳で食べたときは最高においしかったです!
山小屋の一角を借りて作ったのですが、小屋のご主人も一緒に食べてくれて、
楽しい思い出になりました。
まとめ
山で料理をする時間は楽しいし、なんたっておいしいものを食べたい!
でもあまり手間をかけず、短時間で作れることも大事です。
家では問題なく作れても、低い気温や強い風、早い日没など
山では思わぬ不測の事態が起こります。
思うように焼けない、沸かないなんてことはよくある話です。
一見凝った料理でも、野菜はカットする、
肉はカットして冷凍する、
調味料は計量して小袋や小瓶に分ける
など前日に家でできるだけの準備をしておくと、
山では炒めるだけ、煮込むだけで完成するお手軽料理になります。
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